「昨日の運転手の方とは違いますね」
「そうですね。昨日の運転手は大阪支社の役員付運転手で、今日の彼は東京本社の運転手です」
一臣に微笑まれて、菜々の顔が熱くなる。
(そ、そりゃそうよね。大阪から自動車で追いかけて来るわけないか。各支社に役員付運転手がいるなんて……)
さすがは日本全国に傘下企業を有する大手企業グループである。菜々は自分の庶民的な考え方に内心苦笑した。
菜々と一臣を乗せた黒塗りの高級車がゆっくり走り出したとき、菜々は永輝に電話をかけそびれていたことを思い出した。
「あのぅ、すみません。今から電話をかけてもいいですか?」
「深森さんにですか?」
「はい」
「どうぞ」
菜々はバッグから白い携帯電話を取り出して、アドレス帳から呼び出した永輝の番号にかけた。一回目の呼び出し音が鳴り終わらないうちにつながって、思わず微笑んでしまう。
「菜々ちゃん、無事着いた?」
心配そうな永輝の声が聞こえてきた。
「はい。今、おじいちゃんの家に向かう車の中です」
「やっぱり……和倉さんと二人きり?」
永輝の口調にヤキモチを感じ取り、菜々はくすぐったい気持ちになって答えた。
「そうですね。昨日の運転手は大阪支社の役員付運転手で、今日の彼は東京本社の運転手です」
一臣に微笑まれて、菜々の顔が熱くなる。
(そ、そりゃそうよね。大阪から自動車で追いかけて来るわけないか。各支社に役員付運転手がいるなんて……)
さすがは日本全国に傘下企業を有する大手企業グループである。菜々は自分の庶民的な考え方に内心苦笑した。
菜々と一臣を乗せた黒塗りの高級車がゆっくり走り出したとき、菜々は永輝に電話をかけそびれていたことを思い出した。
「あのぅ、すみません。今から電話をかけてもいいですか?」
「深森さんにですか?」
「はい」
「どうぞ」
菜々はバッグから白い携帯電話を取り出して、アドレス帳から呼び出した永輝の番号にかけた。一回目の呼び出し音が鳴り終わらないうちにつながって、思わず微笑んでしまう。
「菜々ちゃん、無事着いた?」
心配そうな永輝の声が聞こえてきた。
「はい。今、おじいちゃんの家に向かう車の中です」
「やっぱり……和倉さんと二人きり?」
永輝の口調にヤキモチを感じ取り、菜々はくすぐったい気持ちになって答えた。


