一臣に言われて、菜々はうなだれた。
(おばあちゃんはもういないんだ……)
一人残された祖父。本当なら、今すぐ夜行バスに乗ってでも東京へ向かうべきなのかもしれない。それでも、祖父が父の勤め先に圧力をかけて父をクビにしたり、父と母の結婚に反対したりしなければ、もしかしたら今も父と母は生きていたのではないか。そう思うと祖父に会いたい気持ちと同時に、複雑なやるせなさを覚えるのだ。
(こんなふうに思う私って冷たいのかな……?)
菜々は膝の上で両手を握りしめた。
(それでも、もし祖父の死に目に会えなければ後悔するかもしれない……)
菜々は顔を上げて一臣を見た。
「わかりました。明日の初発の新幹線に乗って東京に行きます」
「よかった。ありがとうございます」
一臣がホッと表情を緩めた。その安心したような顔はとても優しげだ。こんなにも部下に慕われるような祖父が、菜々の父にだけ冷たかったのはなぜなのか。それとも二人の死を知ってから考えを改めて人が変わったのかもしれない。
(父のことをどう思っているのか、会ったときに訊けたら訊いてみよう)
「明日の朝、五時四十五分に新大阪駅の改札口で待ち合わせで構いませんか?」
(おばあちゃんはもういないんだ……)
一人残された祖父。本当なら、今すぐ夜行バスに乗ってでも東京へ向かうべきなのかもしれない。それでも、祖父が父の勤め先に圧力をかけて父をクビにしたり、父と母の結婚に反対したりしなければ、もしかしたら今も父と母は生きていたのではないか。そう思うと祖父に会いたい気持ちと同時に、複雑なやるせなさを覚えるのだ。
(こんなふうに思う私って冷たいのかな……?)
菜々は膝の上で両手を握りしめた。
(それでも、もし祖父の死に目に会えなければ後悔するかもしれない……)
菜々は顔を上げて一臣を見た。
「わかりました。明日の初発の新幹線に乗って東京に行きます」
「よかった。ありがとうございます」
一臣がホッと表情を緩めた。その安心したような顔はとても優しげだ。こんなにも部下に慕われるような祖父が、菜々の父にだけ冷たかったのはなぜなのか。それとも二人の死を知ってから考えを改めて人が変わったのかもしれない。
(父のことをどう思っているのか、会ったときに訊けたら訊いてみよう)
「明日の朝、五時四十五分に新大阪駅の改札口で待ち合わせで構いませんか?」


