菜々は小さく息を呑んだ。まさかそこまでして自分が捜されているとは想像すらしていなかった。
「それで今日こうして来られたという訳なんですね」
「はい。ぜひ私と一緒におじい様のところに来てください」
「私に血のつながりのある人がいるならお会いしたいとは思います。ご病気だと聞いたらなおさらです。でも、私、まだ何の心構えもできていなくて……」
ためらう菜々に、一臣が身を乗り出すようにして言う。
「これまでのことを考えたら、決心がつきにくいのはわかります。それでも、葛葉社長は……おじい様は菜々さんに会いたがっています。明日の朝一番に新大阪を発つ六時の新幹線で東京に行きましょう」
「と、東京?」
驚きのあまり菜々の声が裏返ったが、一臣は冷静に答える。
「はい。社長は本社のある東京にお住まいです。私は社長の命を受けて東京から飛行機で参りました」
「ちょっと待ってください。明日は朝から予備校の仕事があるんです。それが終わった後、四時頃にこちらを発つというのではダメですか? 仕事を休む場合は前もって連絡しないと……」
菜々の言葉を聞いて、一臣が悲しげに言う。
「おばあ様はすでに他界され、おじい様が明日もわからぬ重い病気と一人で闘っているというのに、菜々さんは仕事を優先されるのですか?」
「それで今日こうして来られたという訳なんですね」
「はい。ぜひ私と一緒におじい様のところに来てください」
「私に血のつながりのある人がいるならお会いしたいとは思います。ご病気だと聞いたらなおさらです。でも、私、まだ何の心構えもできていなくて……」
ためらう菜々に、一臣が身を乗り出すようにして言う。
「これまでのことを考えたら、決心がつきにくいのはわかります。それでも、葛葉社長は……おじい様は菜々さんに会いたがっています。明日の朝一番に新大阪を発つ六時の新幹線で東京に行きましょう」
「と、東京?」
驚きのあまり菜々の声が裏返ったが、一臣は冷静に答える。
「はい。社長は本社のある東京にお住まいです。私は社長の命を受けて東京から飛行機で参りました」
「ちょっと待ってください。明日は朝から予備校の仕事があるんです。それが終わった後、四時頃にこちらを発つというのではダメですか? 仕事を休む場合は前もって連絡しないと……」
菜々の言葉を聞いて、一臣が悲しげに言う。
「おばあ様はすでに他界され、おじい様が明日もわからぬ重い病気と一人で闘っているというのに、菜々さんは仕事を優先されるのですか?」


