シンデレラに恋のカクテル・マジック

「写真はこれで結構です。サマー・フェスタのチラシを拝見しましたが、お名前は深森永輝さんと斎城菜々さんでよろしいですね?」
「はい」
「バーの宣伝もしっかりさせてもらいますので、サウス・オオサカ・マガジンの今晩の更新をぜひご覧になってください」
「わかりました」

 隆也は一礼すると、観客の中へと戻っていった。彼の姿が人混みに消えるのを見送って、永輝が言う。

「名前と顔が載るみたいだけど、ホントにいいの?」
「はい。永輝さんこそ大丈夫ですか? サンドリヨンにお客さんが殺到して大変なことになりそうですよ」
「地域情報誌だし、殺到しても一時的なものだと思うよ」

 永輝は言ったが、菜々は内心不安だった。

(永輝さん目当ての女性客が押し寄せてきたらどうしよう……。ただでさえ、ライバルが多そうなのに)

 菜々のそんな不安に気づくことなく、永輝が訊く。

「一緒にフェスタを最後まで見学してから戻ろうか?」
「はい」

 永輝と一緒に観客席の一番後ろに立って、ギターの引き語りとフェスタの最後を締めくくる河内音頭を見学した。浴衣姿の地元の踊り子が踊り始めると、客席から立ち上がった人が何人もステージ前で同じように踊り始め、イベントは大いに盛り上がった。