シンデレラに恋のカクテル・マジック

「お、意外と素直だ」
「意外とって……」

 エイキの言葉に菜々は苦笑した。私ってそんなにひねくれ者に見えるんだろうか。そう思ったが、エイキは真面目な表情になった。

「サンドリヨンのドアを開けたとき、すごく落ち込んだ顔をしてたから、気になってさ。少しでも気持ちが明るくなればと思って。無理に誘って、こっちこそごめん」

 最初は強引に店に連れ込まれて警戒していたのだが、素直に謝られて拍子抜けしてしまった。菜々はクスッと笑って言う。

「エイキさんも意外と素直ですね」
「へえ、初対面で俺の魅力に気づくなんて、キミってなかなか鋭い観察眼をしてるんだね」

 エイキがニヤリと笑い、カウンターの客が「エイキが素直なわけないだろ」とやじるように言った。エイキは聞こえなかったふりをして、菜々に右手を差し出す。

「サンドリヨンのオーナー・バーテンダーの深森(ふかもり)永輝(えいき)です。キミは?」

 菜々は右手を伸ばして彼の手を握りながら言う。

「斎城菜々です。よろしくお願いします」