シンデレラに恋のカクテル・マジック

 菜々が今一生懸命練習しているが、まだうまくできない技だ。

(あれ、難しいのよね……)

 不安になる菜々を永輝が見つめて言う。

「大丈夫。これから四週間あるから、集中して練習すれば菜々ちゃんなら絶対できるようになる!」

 その力強い声を聞いていたら、不思議とできるような気がしてきた。

「がんばります!」

 拳を握りしめる菜々を見て永輝が目元を緩めた。

 それから二人で硬化プラスチック製ボトルとティンを持って公園に下りた。さすがに気温が三十度を超える公園にはひとけがなく、菜々と永輝の独占状態だ。

「回転をかけずに投げるデット・トスなら、菜々ちゃんもやりやすいんじゃないかな。トスのバリエーションを増やして取り入れようと思う」

 そう言って永輝が教えてくれたのは、右手でボトルを握り、右肩の外側を通るように背後へと投げて左手でキャッチするビハインド・ザ・バック、頭の後ろを通るように左へ投げて左手でキャッチするシャドー・パスなどだ。ビハインド・ザ・バックはコツをつかめばすぐできるようになったが、シャドー・パスは難しい。何度もボトルを頭にぶつけたり、取り損ねて左側に落としたりした。