私の馬鹿…………っ、 意識なんかしてない。 いや、本当にするつもりなんてなかった。 顔に出したら、遠野だってビックリするよ。 ………今私、すごく恥ずかしい。 「……………じゃ、帰る」 そう言って彼はまた、すぐに歩き出す。 でも、あれ………? なんで、なんで………? 私の頭には、たくさんのハテナが飛んだ。 ………もう人混みなんてとっくに抜けたはずなのに、 彼の手はまだ、私の手を掴んだまま。