私たちはただ自然に手を繋いで歩く。
その間はもう、振り向かないでとしか考えてなかった。
でもそんな思いは彼には届かず。
ショッピングモールを出た時、遠野がくるっと私の方へ振り向いた。
あまりにも一瞬のことで顔を逸らす時間など無く、パチリと彼と目が合う。
「……………帰ってい……」
“帰っていい?”確かに彼はそうやって尋ねようとしてた。
なのに私のことを見て、目を丸くした。
「…………どうしたの」
「なんでもないけど…………」
「……………ふーん、」
………多分、私が恥ずかしがってるのバレた。
絶対今、顔に出てる。
だからきっと、その表情を見たから驚いているんだ。


