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和沙side
元はと言えば、少し遠目の学校を受けた私に
遠いからとお母さんが親戚の家に住むことをオススメしてきたことが始まり。
…私、“桜崎和沙”は今年から高校生になる。
その時にお母さんが荷物を、まとめ終わったあたりでいきなり言ったんだ。
『あ、そーいえば誠くんもいるらしいよ』って。
そのお母さんの言葉にブドウジュースを、
ひっくり返しそうになったことは今でも忘れない。
あれはなかなか危なかった…
…それ先言ってよ、お母さんって感じだ。
…つまりは“誠”と同じ家に住む、ということで。
それで、恐る恐るインターホンを押して、
あの人にあんな顔された今に至るわけです。