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「でね、遠野。
私今度の日曜、柏野先輩と映画に行くことになったの」


「…へぇ、」


「だからね、一緒に服を選んでほしいの」


私の部屋に呼んで、バッと今一応の候補の服を並べてみる。

分かってはいたけれど、遠野の顔はとても嫌そうな顔をしてる。


…ごめん、だって自分だと決められなくて。


「…デートなの?」


「なわけないじゃん!」


予想外の言葉に私はびっくりした。
デートなわけあるか!


ただ遊びに行くだけだよ、違うからそんなこと言わないでよ。


はぁ…と小さくため息をついた。
…本当、まるでデートみたいだよね。


なんて思って見たりして。
そう思うとなんとなく複雑な気持ちになってくるのが分かる。