蟲狩り少女

お母さんはあたしの言葉にしばらく黙って考え込んだあと、パッと顔をあげた。


「たまにはあるんじゃない? そういう偶然が」


そう言い、ニコッと微笑む。


その返事に肩透かしを食らった気分になる。


「そ……そうかなぁ?」


「そうよ。深く考えたってわかんないわ。お母さんには」


「……そうだよね。あたしにもわかんない」


そう言い、2つ目のクッキーを口に運ぶ。


サクッと音がしてふんわりと甘い香りが口に広がる。


……ま、いっか。


そう思いあたしは微笑んだのだった。