蟲狩り少女

見えない蟲に有効な殺虫剤みたいなものだ。


あたしはそれを両手でしっかりと持ち、三岳友輝に向けてふりかけた。


途端に三岳友輝の周囲を飛んでいた蟲たちが、ボトボトとコンクリートの屋上に落ち始める。


このまま全滅させてやる!


あたしはスプレーを握る手に力を込めた。


最初は順調だった。


次々に落ちる蟲たち。


落ちた蟲はまるで弾けるようにして消えていく。


でも……。


しばらくして額に汗が浮かび始めた。


想像以上の蟲の数だ。