蟲狩り少女

「あ、ありがとう。清野君……教室に戻らないと……」


廊下から何の物音も聞こえないという事は、きっと今は授業中だ。


「授業はもう終わったよ。今放課後」


「え!?」


あたしは驚いて飛び起きて、そしてまたメマイを起こしてベッドに倒れてしまった。


「だぁから、無理すんなっつの!!」


「ご……ごめんなさい……」


「謝る必要もなし。家が同じ方向だから一緒に帰ろうと思って、起きるの待ってたんだ」


そう言い、隣のベッドに置いていたあたしのカバンを指差した。


「あ……ありがとう」


放課後までここで眠っていたなんて、情けない。


そう思うと涙がにじんできた。