蟲狩り少女

「毎日毎日、脇君のこといじってるよね」


呆れたようにそう言うクラスメイト。


人の姿をした蟲を見たのは昨日の午後。


それがすでに人の名前を持ち、人間の記憶まで操作しはじめている。


いけない。


このままでは本当に食いつくされてしまう。


焦って、思わず腰を浮かせた。


しかしあたしより先に動いたのは三岳友輝だった。


ニヤニヤとした笑みを浮かべて、蟲の和の中に入って行く。


その背中にはビッシリと同種類の蟲がへばりついていて、あたしは一瞬悲鳴をあげそうになってしまった。


やっぱり……蟲の標的は三岳友輝だ……!