蟲狩り少女

お母さんはそう言い顔をしかめてテレビに視線を移した。


蟲は人間の心の隙間に入り込む。


今回の標的は脇マサヤ……いや、イジメを始めるほど心に穴があいている三岳友輝かもしれない。


入る混んだ蟲は、その人間を食いつくし死に追い詰める。


蟲の見えないお母さんは極端に蟲を嫌っている。


殺人鬼と同じだと思っている。


あたしだって蟲が好きなワケじゃない。


この世からいなくなってしまえばいいのにと、本気で思っている。


けれど、あたしはお母さんと違って蟲が見えている。


蟲たちも生きているんだ。


生きて子孫を残るための手段が、人間狩りなんだ。


そう考える時もある。