蟲狩り少女

慣れた格好になると、ようやく蟲から解放された気分になった。


「学校はどう?」


再びリビングへ戻ると、お母さんがすぐにそう聞いて来た。


「うん、まぁまぁかな」


勉強も付いていけているし、クラスで孤立するような事もない。


可もなく不可もなくだ。


しかしお母さんはそんなあたしを心配そうに見てきた。


「蟲がいるの?」


そう聞かれてやっと理解した。


学校生活の心配をしているんじゃなくて、蟲がいるかどうかの心配をしていたのだ。


「……うん。春だし、どうしても出てくるよ」


そう返事をしてお母さんの横のソファに座る。


「そうなのね」