蟲狩り少女

☆☆☆

その日は何事もなく学校が終わり、あたしはホッと胸をなで下ろして家に帰った。


あたしの家はお母さんと2人暮らしで、お父さんはあたしが幼いころに病気で亡くなってしまった。


お母さんの朝から昼までのパートで暮らして行けるのは、おじいさんやおばあさんの手助けがあってこそだった。


あたしは家に帰るとリビングにカバンを投げるように置いて、真っ直ぐ脱衣所へと向かった。


雑に制服を脱ぎ、熱いシャワーを浴びる。


今日クラスメイトとして入り込んでいた蟲たちのせいで、春の蟲が体にくっついていたのだ。


蟲が見えない人たちは自分に蟲がついていても対処法はない。


だけど、蟲の標的にされない限り数匹の蟲が体についていても害はなかった。