蟲狩り少女

「はい。今日はちゃんとお話をしようと思って来ました」


清野カナは真っ直ぐにお母さんを見つめる。


その表情は少し笑っているようにも見えて、あたしはクッと奥歯を噛みしめた。


話ってなんだろう……。


あたしは横目で光磨を見た。


光磨にもこの状況は予想外だったらしく、戸惑ったような顔をしている。


誰も予測できていない事態だ。


しかし、ここまで来てくれた清野カナを追い返すわけにもいかない。


どうしてこの家を知っていたのか、という事も聞きたかった。


「どうぞ」


仕方なく、あたしたちは再びリビングへ戻る事になったのだった。