蟲狩り少女

そこに立っていたのは細身の女性だった。


女性はお母さんと同年代くらいで、黒いパンツに白いニットを着ている。


それは見たことのない女性だった。


そのはず……だった。


けれどあたしはその女性を見た瞬間、この人の事を知っていると感じていた。


目鼻立ち。


雰囲気。


そのどれもが光磨にそっくりだったからだ。


あまりに似ているので、あたしは呆然としてその場に立ちつくしてしまう。


先に口を開いたのはその女性の方だった。


「驚かせてしまったみたいで、ごめんなさい」


ペコリと小さくお辞儀をする女性。


あたしは慌てて「い……いいえ」と、首をふった。