蟲狩り少女

しかしその手はお母さんを見つける事はなく、ただ蟲たちの気味の悪い感触を確かめる事しかできなかった。


伸ばした腕も力尽き、だらりと垂れさがりそうになった……その瞬間だった。


あたしの手は誰かによって掴まれた。


ハッとして目を開ける。


目前は相変わらず蟲に囲まれて暗い闇の中だ。


しかしあたしの手はしっかりと握られ、外へと向けて引かれている。


「しっかりしろ!」


光磨のそんな声が聞こえて来て、ハッとする。


そうだ。


外側には光磨がいたんだ。