蟲狩り少女

どうしよう。


どうすればいいの?


必死で手を伸ばすがお母さんの体らしきものには当たらない。


このまま力尽きてお母さんと2人で蟲に殺されてしまうのだろうか。


そんな思いがよぎる。


一瞬恐怖に身をすくめるが、しかし狩っても狩っても出てくる蟲たちを前に、あたしはなすすべをなくしてしまっていた。


お母さんと2人でお父さんの所へ行く。


それは苦ではないような気さえする。


あたしはとうとう冷たい床へと膝から崩れ落ちた。


口から笛が転がる。


聞こえてくるのは蟲たちの動き回る音だけ。


目を閉じても、そこには同じ暗闇が広がっていた。


「お母さん……」


最後にもう一度手を伸ばす。