蟲狩り少女

☆☆☆

結局、あたしも光磨もどこに蟲がいるのかわからないまま、放課後になっていた。


「なんだか、俺も嫌な予感がする」


帰り際光磨がそう言ってきた。


「蟲のこと?」


「あぁ。こんなに嫌な気分になったのは初めてだ。なにか大きな物に飲みこまれていくような感覚がある」


同じだった。


あたしも今朝からその感覚に襲われている。


でも、あたしたちの目の届く範囲に蟲はいなかった。


「前回の狩りで蟲は進化していっているかもしれないって話をしたよね? もしかしたらあたしたちに見えない姿になって人を襲っているのかもしれない」