蟲狩り少女

「里音、大丈夫か?」


光磨が心配そうにあたしを見つめる。


「大丈夫だよ」


蟲が自分を襲おうとしているのなら、蟲狩り師の血がそれを知らせてくれる。


大事に至る前に退治できるようになっているのだ。


だから、あたしにくっついていた蟲は誰か他の人に触れた時についたものだ。


でも……一体誰から?


胸がざわつき、また周囲を見回してみる。


蟲はどこにもいない。


光磨もクラスメイトたちを見ているが、その目にもなにも写らないようだ。


今日はなんだかおかしい……。


あたしはそう思い、水滴になった蟲を見つめたのだった。