蟲狩り少女

光磨は真剣な表情でそう言う。


上辺だけではなく、ちゃんと心配してくれているのが伝わってくる。


……そんなに心配してくれるのは妹だから?


そう聞きそうになる気持ちをグッと押し殺す。


あたし、いつからこんなにかわいくない子になっちゃったんだろう。


「俺も風邪をこじらせた時は大変だったよ」


そう言い、思い出し笑いをする光磨。


だけどその笑顔は今のあたしの胸に突き刺さる。


「……ねぇ、どうやって謝ったらいい?」


突然そんな事を聞いたあたしに、光磨はキョトンとした表情になる。


瞬きを何度も繰り返し、そしてようやくあたしの言葉の意図を理解したようで少し険しい表情に変わった。


「気にするなって言ったろ? まぁ、今のは俺が思い出させちゃったから、俺も悪いんだけどさ」


そう言ってポリポリと頭をかく。


まるでできの悪い妹に頭を悩ませている兄のような光景だ。