蟲狩り少女

すぐに扉を閉め、屋上の中央まで進む。


「行くぞ」


「うん」


あたしと光磨は目を見かわせ、そして同時に蟲スプレーを噴射した。


シューッと音を鳴らしながら真っ白な粒子が噴き出してくる。


朝口容子にくっついていた蟲たちがボトボトと地面に落ちて、真っ黒な灰へと変わっていく。


しかしそれはスプレーが直撃する表面の蟲だけで、内側まではなかなか届かない。


その間に朝口容子は「あ……あ……」と、奇妙な声を上げ始めた。


「どうしたんだろう?」


「わからない……」


あたしの問いかけに光磨も首をかしげる。


少しづつだけれど確実に蟲の量は減っている。


このままいけば狩れるはずだ。


なにも問題はない。