蟲狩り少女

☆☆☆

それから一週間ほど経過したときのことだった。


いつも通り登校すると、いつも通り清野光磨が机に突っ伏して寝息を立てている。


あたしはそれを視界にいれながら自分の席に座る。


しばらく文庫本を読んでいると、クラスメイトたちが授業前の質問をしに来る。
あたしはそれに答える。


と、その時だった。


ガラッと教室のドアが開く音がして、自然と視線がそちらへ動いた。


入って来た人物を見て、クラスの女子が「あ……」と、小さく声をこぼした。


そこに入って来たのは脇マサヤで、その体は一週間前と比べて随分と細くなってしまっていた。


脇マサヤは何も言わず、黙って自分の席に座る。


まだ少し体の調子が悪いのか、席に座ってすぐに突っ伏してしまった。


その様子を見ていたクラスメイトから「まだ調子悪いんじゃねぇの? なんで来たんだよ」と、声が上がった。