蟲狩り少女

蟲はあたしの腕を這い、肩に上がり、そして顔まで登ってくる。


「やめて……!!」


いくら体から振り払っても、蟲は次から次へと登ってくる。


そうしている内に彼女たちの体はどんどん海に沈んで行く。


どうしよう……。


このままじゃあたしまで一緒に沈んでしまう!


目に涙がたまり、こぼれそうになる。


もう一度笛を手に取り力いっぱい吹いた……。


その時だった。


「大丈夫か?」


耳元で聞きなれた声がした。


同時にスプレーが噴射される。