蟲狩り少女

心を完全に持っていかれてしまっているのだ。


あたしはまた笛をふいた。


もっと強く、もっと長く。


だけど、蟲たちは2人を連れて海へと入りはじめる。


彼女たちを連れて行ってしまうつもりだ!


あたしが邪魔をしたから陸では彼女たちをむさぼる事ができなくなった。


ならば海へ連れて行ってしまえばいい。


そう考えたのだろう。


「待って……!」


あたしはバシャバシャと水を蹴りながら蟲に近づく。


彼女たちの肩を抱いて誘導する蟲を両手で懸命に振り払う。