蟲狩り少女

☆☆☆

陽は随分と落ちて道路の外灯が付き始めている。


しかし、道を歩いていると2人の女性の笑い声が聞こえてきた。


さっきよりもはるかに大きな笑い声。


男性の姿をした蟲が寄って来たせいで、自分の意思も薄れてきているのだろう。


あたしは足早にその声の方へ向かった。


細かな砂がビーチサンダルに入り込み、足の裏がチクチクと痛む。


歩くたびに砂を蹴りあげ、服を汚した。


もう暗くなっているせいで周囲に海水浴客の姿はない。


海の家も店じまいをしている。


あたしは真っ直ぐ彼女たちの方へと進んだ。


相変わらず笑い声が聞こえてくる。


そして……。


あたしは肩で呼吸をしながら立ち止まった。