蟲狩り少女

マナーの悪い彼女たちの心の闇に、蟲が入り込んだんだ。


そして男の姿になり近づいた。


まさかこんな場所で蟲狩りをすることになるとは思わなかったから、今日スプレーは持ってきていない。


でも……やるしかない。


あたしはお母さんを不安にさせないよう、最後まで笑顔で部屋を出た。


スプレーはないけれど、蟲狩り師には常に常備させられている笛がある。


それはとても小さな笛で、ネックレスのようにして首から下げれるようになっているのだ。


この笛は蟲が嫌う音が出る。


これで蟲を追い払うのだ。


スプレーほどの威力はないけれど、追い払うだけなら十分だ。


あたしはスプレーをギュッと握りしめ、浜辺へと向かったのだった。