光磨が真剣な表情をしたまま、そう言った。


「うん。うちのお店ではお酒は出さないようにしているけれど、そうするとお客さんからクレームが入ったりするよ。


クレームが入っても海のマナーを守ってもらうためにお酒は置かないけどね」


「そうなんだ……そんなお店が増えればいいね」


あたしはそう言い、少しだけ笑顔を作る。


胸のモヤモヤは晴れない。


それ所が更に強くなっている。


これはただの嫌な予感ではない。


蟲狩り師としての直感だった。


夕花ちゃんと光磨をここにいさせてはいけない。