蟲狩り少女

「あらあら、なんだかあたしってお邪魔みたい?」


「ゆ、夕花ちゃんまで!」


ニヤニヤしながらあたしを見てくる夕花ちゃん。


2人してあたしのことをからかって楽しんでいるんだ。


あたしはプッと頬を膨らませて海岸へ向かって泳ぎ始めた。


「もう戻るのか?」


「戻る!」


海の中でからかわれるのが嫌で、あたしはそう返事をした。


その時だった。


胸の奥がざわついた。


さっきまでの楽しさが一瞬にして吹き飛ぶようなざわめき。