蟲狩り少女

☆☆☆

海は冷たくてとても気持ちがよかった。


あまり泳ぎが得意ではないあたしは大きな浮き輪を貸してもらって、それをつけて海に入っていた。


「こんな所でクラスメイトと再会するなんて運命的だよね」


ワニの形をしたボート浮き輪に乗って、夕花ちゃんがそう言う。


「そ、そうかな」


「俺は里音が運命の相手でもうれしいけど?」


あたしの浮き輪に掴まっている光磨がそう言う。


「な、なに言ってるの!」


ただでさえ至近距離なのに、そんな事を躊躇なく言ってしまう光磨にあたしはまた顔があつくなる。