蟲狩り少女

当たり前の自己紹介の場面で、なぜだかあたしの心はモヤモヤした。


どうしてだろう?


わからなくて、あたしは小首をかしげる。


「ねぇ、どうせだから3人で泳ごうよ!」


夕花ちゃんが提案する。


「あぁ、いいよ」


「うん。あたしも大丈夫」


特に断る理由もなく、3人で海に行く事になった。


さっそくお店を出ようとした、その時だった。


光磨がスッとあたしの横に立ち、身をかがめてきた。


「その水着、めちゃくちゃ可愛い」


コソッとあたしにだけ聞こえるようにそう言う光磨。


あたしの体温はその瞬間急上昇して、またうつむいてしまったのだった。