「ちょ、なんでココに入んのよっ。アンタ端っこに行ってよねー!」
「いいだろ別に。な、准」
「おー。端は寂しいもんな」
「んもー」
残念そうにする城薗。
だけどな、嫌なんだよ。
お前が准に笑いかけんの。
ちょっとは気づけよ、バーカ。
「料理部って夏休み部活あんの?」
みんなが待つ石段へ向かいながら、准が城薗へ聞く。
「うん。あるよー。でも、毎日じゃないからまだ楽かな」
デレッデレして応える城薗。ふんっ、准が話しかけると嬉しそうにしやがって。
「まぁ、お前が毎日夏空の下にいたら、丸焼きになるだろーしな」
「はぁ!?」
「んー、味の方は想像したくねーな」
「こんの快二めー!」
「コラコラ、快二ってば」
准が抑えろよって顔で訴える。でも、俺の目には准よりも、鬼のような形相をした城薗が大きく映っていた。


