「あーその……」


言えねぇ。


実は、一度誘って断られてるなんて。


「そうだよ!快二誘ってみろよっ」


先輩に便乗して言う准。もちろん、断られたことは准も知らない。


それはある休み時間のことだった。


花火大会のチラシを持っていた城薗に、俺は勇気を振り絞って『花火大会、一緒に行ってやってもいーぞ』と、つい上から目線で言ってしまったんだ。


案の定、城薗の応えはノー。『アンタなんかと花火見たって、言い合いになって楽しくなさそう!』とまで言われた。


さすがにその時はヘコんだよ。


「いや、俺はいいよ」


去年も誘おうと思ったけど、勇気が出なかったから、今年こそは!と思って誘ったのに……あんの城薗め。


「じゃあ、俺が誘おっか?」


「じ、准が?」


「おう。みんなで行こうぜって」


「いや、俺達だけで行こう」


准の言葉を素早く遮る。コイツが誘ったら、城薗は100%オッケーする。それはそれで……悔しい。