「ったくお前面白い奴だなー。そうだ。明日花火大会あんじゃんかよ?お前誰かと行くのか?」


「先輩と行くのはちょっと……」


「アホ。ただ聞いただけだ」


「よかったです。えーっと、残念ながら約束はないっすよ」


准とでも行こうかぐらいには思ってたけど。


「あれ?お前彼女いなかったっけ?」


「いないっす。超一途に片想い中です」


「そーなんすよ」


そこへ登場した准は、ベンチ前の段差に腰かけて話に加わる。


「なに、志摩コイツの好きな奴知ってんの?」


「はい。快二の奴、もう一途で健気で可愛らしくて、応援しないわけにいかないっすよ」


おいこら、お前何ベラベラ話してんだよ。


「マジで?こんなに口悪くて無理矢理クールぶってる快二が?」


「はいっ。だから、先輩も応援してくださいよ?」


ニコニコして言う准だけどな、お前に応援されても微妙な心境なんだっつの。


「じゃあ、花火大会誘えよ!」


1人の先輩がひらめいたように言った。