「まぁ、快二のことが大事なのはマジだな。俺、へっぽこだから1人じゃ入部も怖かったし。実際アイツいなかったら、野球してなかったかもしんねーし、快二には感謝してるよ」


なかなか快二の力にはなれてないけどな、って付け足して歩き出した志摩。


志摩は頼りないし鈍感で、いっつも何かと笑ってて、大丈夫かコイツ?って何度も思ったことがある。


でも、そんな志摩がカッコ良く見えてしまうのはなぜだろう。


納得いかないけど、志摩に惹かれてしまう。


それに本人は謙遜してるけど、自分のことより、人のことを……快二のためにっていうのがすごく伝わる。


「それって、快二のためにマネージャーしてるようなもんなの?志摩がやりたいことってないの?」


志摩の背中を追いかけながら尋ねる。


「そうだなー。でも、これも自分のためだって思うし、マネージャーの仕事も結構俺に向いてるのかもって思うし、これが今の俺がやりたいことだな」