「だから野球はしなくても、マネージャーとして快二とチームメンバーのサポートをするようになったのです!ちゃんちゃんっ」
志摩は、優しい人だ。
自分のことよりも、相手のことを考える、優しい人だ。
そんな志摩に、あたしは惚れたんだ。
いつの間にか、好きになっていたんだ。
「城薗さん?」
はっ!あたし今、志摩に見とれてた!?
「ち、ちゃんちゃんって何よー。よ、要するに選手として意気地なしの志摩は、快二ラブでマネージャーになったのねっ」
言ってから後悔。あーもう!何を解釈して口走ったんだあたし。
「ふははっ、貶されたと思ったら……待って、今の話どこをどうとったらそーなんの?」
「あたしの中ではそうなったのっ」
ツンケンして返答するあたしに、志摩はケラケラと笑う。
志摩は真面目に話してくれたのに、あたしは素直に返事ができない。もーやだやだ、こんなあたし。
少しでも、素直になれたらいいのに。


