GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「うめーよ。腹壊すどころか、足りねーくらいだってのっ」


好きな人にこんな言葉を言われて、喜ばない人がどこにいるかな?


あたし、今どんな表情してるんだろう。目は真ん丸?顔は真っ赤っか?


「よしっ、帰るか」


「えっ」


「駅まで一緒だろ?快二はいないけど、一緒帰ろっか」


正門へ足を進めながら志摩が言う。そんな志摩の姿を見て、胸がときめかないはずがない。


「い、一緒に帰ってもいいよーだ!」


そして、また……素直になれるはずもない。







「志摩」


「ん?」


校舎をあとにして、ドキドキを隠しながら志摩と並んで歩いていた時に、あたしは志摩の名前を呼んだ。


「野球部残念……だったね。でも、お疲れ様」


マネージャーお疲れ様。その意味も込めて志摩へ伝えた。


「うん。ありがとうな」


あたしの目を見ないで、まっすぐ前を見たままそう言った志摩。その横顔はどこか切なそうに見える。