「あれ?快二帰ったの?」
駆け足であたしのもとへ来た志摩。
「そ、そうみたい……」
もー快二のやつ、あたしが志摩といると、なかなか素直に話せないの知ってるくせに!
「そういえば、俺に何か用事だった?」
「あっ、うん!コレ料理部で作ってさ、その、志摩にあげようと思ってっ」
慌てて鞄から、ラッピングされたシフォンケーキを取り出す。
「マジで?俺に?うわっ、ありがとう」
嬉しそうにあたしの手から受け取る志摩。
「食ってみていい?」
「お、お腹壊しても責任はとれないしっ」
「もし腹壊したら、城薗さんに変顔しながら家まで帰ってもらうからなー?」
「へっ!?」
へへっと笑う志摩。うっ、その顔反則だよ。
「いただきまーす」
そう言って、一口食べた志摩。
「ん……」
徐々に俯きだす。え、嘘。ちょっ、志摩気分悪くなった?分量の間違いのせい?
「志摩、大丈……」
「コレ俺好き」
え?


