GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「勝つって難しいんだね」


「当たり前だっての」


「泣いたの?」


「……デリカシーのないこと聞くな」


やっぱり泣いたんだね。






「おーい、遅くなってごめん!」


そこへ志摩の声がして、あたしの胸は急速に加速し始める。


「うっし。俺は帰るとするか」


「え!快二帰んの!?」


立ち上がる快二を見上げる。


「おう。コレのお礼ってことで」


渡したシフォンケーキをぶらつかせる快二。


「ちょっ、ちょっと待って!もう少しいてよっ。志摩と2人って緊張して、何話せばいいか……」


「じゃっ、そういうことで!」


そう言って、あたしに背を向けて歩き出した快二。


「ちょっ、快二!」


本当に帰っちゃう感じ!?どうしよっ、あたし志摩と2人きりになっちゃうじゃん!?あたしの心臓はさらにパニックを起こす。







「…………ったく、今日だけだからな」


もちろん、そんな快二の思いも知らないで。