GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「ん?何か言ったか?」


「言った。アンタ元気そうだって」


「なんで?」


「ほら、試合負けたって言ってたじゃん」



“俺達負けたんだわー。いやー惜しかった”



朝、電車の中で、あたしの目を見ないでそう言った快二。その時は何とも思わなかったけど、改めて考えると落ち込んでたのかもって思ってさ。


口悪いし何かとウザ絡みするし、快二のことはあんまり好意的に思っていない。だけど……





「ピッチャー、お疲れ様」


これくらいは言っておこうかなって思った。励ましとかじゃなくて、あたしの素直な気持ちなんだ。

「…………あーうん」


でも、快二からの返事はそれだけだった。いつもの反撃がないのが変な感じだったけど、今日は何も触れないでおこう。


「そのシフォンケーキね」


「城薗」


あたしの話は快二の声で遮られる。


「な、なに?」


「やっぱり負けんのはキツいなー」


自分の足元を見たまま言う快二。