GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「快二ぃー、頑張れー!」


ずっと欲しかったこの言葉。


他の子からの頑張れじゃなくて、城薗から欲しかった言葉。


アイツから応援されてんだよな、俺。


……うわ、夢みたい。


「アンタ、エースなんだから、シャキッと決めてよー!」


……まぁ、求めていた以上の言葉も聞こえたけど気にしない。


アイツがいる。


カッコイイとこ見せるチャンスだ。


ピッチャーから手放された白球を、思いっきり打った。




カキーン……


金属音とともに空へ伸びる白球。バット手放した俺は、塁へ駆け出した。


外野が空を見上げながら構える。


落ちろ、落ちろ、落ちろ!





「アウト!」


俺の打った球は、フライに終わった。


「……ダッセーなぁ、俺」


呟きながらベンチへ戻る。


今日の打席ではヒットは打ってて、でけぇのは今のが一番だったんだけどな。あーあ、カッコつかなかった。