そして准はゴールした。ヘトヘトになりながら番号カードを受け取った准は、芝生に座り込んだ。
「城薗、准のとこ……」
そう言った時には遅かった。隣にいた城薗は、駆け足で准の元に向かっていた。俺はその背中を追いかけるように准の元へ向かう。
「志摩っ」
城薗が准に飛びついた。ううん、抱きついた。
「し、城薗さん!?」
准の奴、あたふたしやがってる。
「よかったぁ……心配したんだから、このバカ!」
「バカ?」
「50位で帰って来るとか言っておきながら、なっかなか帰って来ないんだもんっ」
准に抱きついたまま怒りながら言葉を発する城薗。
「あぁ、ごめん。折り返し地点のところで何かにつまずいて転けたんだ。それでちょっと足も挫いて……」
「あぁ本当だ!早く手当てしてもらわなきゃっ」
そこでやっと、准から離れた城薗。俺もやっとひと安心。こんなシーン、ずっと見てられっかよ。
「俺が連れていくから」
そう言って、准の肩に手を回す俺。
「あたしも」
「城薗さんはいいよ。快二に手伝ってもらうから。な?」
准の言葉に渋々頷いた城薗は、重い足取りで女子の輪に戻った。


