GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




そして准はゴールした。ヘトヘトになりながら番号カードを受け取った准は、芝生に座り込んだ。


「城薗、准のとこ……」


そう言った時には遅かった。隣にいた城薗は、駆け足で准の元に向かっていた。俺はその背中を追いかけるように准の元へ向かう。


「志摩っ」


城薗が准に飛びついた。ううん、抱きついた。


「し、城薗さん!?」


准の奴、あたふたしやがってる。


「よかったぁ……心配したんだから、このバカ!」


「バカ?」


「50位で帰って来るとか言っておきながら、なっかなか帰って来ないんだもんっ」


准に抱きついたまま怒りながら言葉を発する城薗。


「あぁ、ごめん。折り返し地点のところで何かにつまずいて転けたんだ。それでちょっと足も挫いて……」


「あぁ本当だ!早く手当てしてもらわなきゃっ」


そこでやっと、准から離れた城薗。俺もやっとひと安心。こんなシーン、ずっと見てられっかよ。


「俺が連れていくから」


そう言って、准の肩に手を回す俺。


「あたしも」


「城薗さんはいいよ。快二に手伝ってもらうから。な?」


准の言葉に渋々頷いた城薗は、重い足取りで女子の輪に戻った。