GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「いつ帰って来んのよ、アイツ……」


それから、100位を過ぎても准の姿はなかった。城薗は小さなため息をつく。


「そんな心配すんなよ」


「心配するよ。だって、あの志摩だもん。途中でぶっ倒れてたらどうしよう」


あり得なくもない。だけど、今のところ生徒が体調不良っていうのは先生達も言ってないし、准もまだ走ってるだろう。


准の奴、本当いつ帰ってくんだよ。もうそろそろ……
「あっ……志摩だ」


城薗の声に、足元の芝生を見つめていた俺の視線は正門へ向かう。


准が帰ってきた。って、アイツ走り方おかしくね?もしかして、どっかで転けたのかよ。


それでも少しずつゴールへ近づいている准。


「准、お前もっと走れよ!ほら、もうゴールだろ!」


こんな風に准を応援することがあったかなってくらい、大きな声でアイツを応援する。


「志摩ぁっ!もうちょっとだよーっ!」


隣にいる城薗もでっけぇ声援を送る。その瞳は、少しだけ潤んでいるようにも見えた。