GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~




「はぁっはぁっ……好きな奴の前では、カッコつけたいっすからね」


城薗の前では、いつだってカッコイイ男でいたい。アイツがいつか俺に惚れてくれるように、好きになってくれるように。


近くなってきた正門。もうすぐゴールだと思うと、胸が高ぶる。あと少しだって思うと、足が前に……前に出る。


「がんばれーっ!」


正門付近にいる生徒達が、立ち上がって応援する姿がチラつく。その生徒の前を走りすぎた俺は、校庭へ向かって重い足を進めていく。


「快二ー!あと少し頑張れー!」


聞こえた。


城薗が俺を応援してくれる声が聞こえた。


嬉しすぎるって。今俺、絶対顔ニヤけたって。


ラストスパート、俺は校庭の土を空へ届けるくらい、力を振り絞って走った。


1位ではない。


それでも、ゴールテープが用意されていることが嬉しかった俺は、両手をあげてゴールした。


係の生徒から着順の番号カードをもらった。


【15位】


うわ、マジかよ。