「だって、高橋くんって奈央のこと好きなんでしょ?それに仲もいいし、応援しないわけにはいかないじゃんっ」
いや、快二とは仲がいいっていうか犬猿の仲のような感じだから。
「いーなぁ、高橋くんに好かれるなんて。羨ましいよ~」
どこが。
おかげで毎日振り回されてるよ、この心に。
「で、でもあたし好きな人いるし」
「志摩くんだっけ?志摩くんは駅伝だし、それに運動は……って聞くけど?」
「いいの!運動オンチな志摩を応援するもん。ってあぁっ!」
焼いていたドーナツがオーブンの中で爆発してる!?
「最悪ー……」
これ、志摩にあげる予定だったのに……
「まだ材料あるから作ろう?」
部員の1人が言う。
「うん。もう一回作り直そっかな」
志摩に食べてもらいたいから、再チャレンジしよう。
そして、部活が終わった。無事に焼きドーナツは作れ、小さな袋に包んだ。あとは野球部の練習が終わるのを待つだけだ。


