「……もー、調子狂う」
志摩が好き。
だけど、快二にドキドキしちゃうあたしもいる。
やだやだ、こんなのあたしらしくない。
快二とどうやって、言い合い……してたってけ?
「明日は駅伝大会だね」
放課後の部活中、部員の一言から話題は駅伝大会の話へと広がる。
今日の部活内容は焼きドーナツ作り。あたしは美味しくなるように、とドーナツをオーブンへ入れたところだ。
「マラソンコース希望してる子いる?」
「いやいや、無理!あんなに走りきる自信ない」
「あたしもー」
みんなの言葉にあたしも頷く。マラソンコースは10キロ走る。そんなに走ったらぶっ倒れちゃうわ。
「今年も男子の応援楽しもうねっ」
「あたしの彼氏も出るんだ~っ」
「あたしも好きな人が出るのっ」
みんなそれぞれ楽しみがあっていいもんだ。
「奈央は高橋くんの応援しなきゃね!」
突然話題はあたしに振られた。
「は!?あたし!?なんであたしが快二の応援を!?」


