「ていうか、女の子の頭を叩くなんてヒドイからっ」
図星だったから、さっきの話に戻す。
『お前女だったかー?』
今までの快二ならそうやってバカにしていただろう。
でも、今は違った。
「あ、悪ぃ。痛かったか?」
そう聞いてきたんだ。
あたしの隣にいた雪は、小さな声でキャッと嬉しそうに言う。
な、な、なんなんだ、コイツ!変わりすぎっしょ!?
「そ、そんなこと聞いてくるなんてアンタらしくないっ」
快二の言葉にどぎまぎしたあたしは、可愛くない反発をする。
「だって、お前……好きな奴だし」
じゃ、俺行くわ、とそのまま走り去った快二。
「ヒュ~♪あたしまでドキドキしちゃったよ~」
雪があたしの肩をツンツンと小突く。
「やめてよっ。あたしだって……慣れてないんだから」
快二は変わった。
口調は前と変わらないけど、時々あたしを女子扱いするようになった。
だからあたしは、恥ずかしくて照れ臭いような気持ちになるんだ。


